歯周病は、歯を支える歯肉や歯槽骨などの組織に炎症が起こる病気です。歯周病を予防するには、歯磨きや定期的な歯科検診が重要ですが、実は食生活も大きな影響を与えます。ここでは、歯周病予防に効果的な意外な食べ物をご紹介します。
目次
おすすめの食べ物
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緑茶
緑茶に含まれるカテキンには、抗菌作用や抗炎症作用があります。
特に、歯周病の原因菌であるジンジバリス菌の増殖を抑制する効果が期待できます。カテキンは、歯周病菌が歯肉に付着するのを防ぐ働きもあるため、歯周病の予防に役立ちます。
緑茶を飲む際は、できるだけ濃い目に淹れると良いでしょう。また、緑茶を飲んだ後は、しばらく口をゆすぐのを控えることで、カテキンの効果を高められます。 -
ヨーグルト
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、口腔内の有害菌の増殖を抑制し、歯周病予防に役立ちます。また、カルシウムも豊富に含まれているため、歯や歯槽骨の健康維持にも効果的です。
なるべく砂糖の少ないプレーンタイプを選ぶようにしましょう。また、乳酸菌の種類にも注目です。ビフィズス菌やアシドフィルス菌などの乳酸菌は、口腔内の環境改善に特に効果的だと言われています。 -
魚
魚に含まれるオメガ3脂肪酸には、炎症を抑える働きがあります。歯周病は慢性的な炎症が原因の一つであるため、魚を積極的に摂取することで予防効果が期待できます。
特に、青魚に多く含まれるEPAやDHAは、歯周病の炎症を抑制する作用が高いと言われています。鮭、サバ、イワシなどの青魚を週に2〜3回は食べるようにすると良いでしょう。 -
ニンジン
ニンジンに含まれるベータカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、歯肉の健康維持に重要な役割を果たしています。また、硬い食感のニンジンを噛むことで、歯垢の除去にも効果的です。
ニンジンは、生で食べるのが最も効果的です。歯ごたえがあるので、よく噛むことで唾液の分泌も促進されます。唾液には、口内を浄化する作用があるため、歯周病予防に役立ちます。 -
ナッツ類
ナッツ類には、オメガ3脂肪酸やビタミンE、マグネシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
これらの栄養素は、歯周病の予防に役立つことが知られています。また、噛み応えのあるナッツ類を食べることで、唾液の分泌が促進され、口腔内の自浄作用も高まります。
ナッツ類は、食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は、歯垢の付着を防ぐ働きがあるため、歯周病予防に効果的です。アーモンドやクルミ、マカダミアナッツなどを、間食に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ナッツ類はカロリーが高いので、食べすぎには注意が必要です。適量を心がけましょう。注意が必要な食べ物
歯周病予防に効果的な食べ物がある一方で、歯周病のリスクを高めてしまう食品もあります。以下のような食べ物は、摂りすぎないよう注意しましょう。
糖分の多い食品
砂糖菓子やケーキ、清涼飲料水など、糖分を多く含む食品は、歯周病だけでなく虫歯のリスクも高めます。菌が増殖することで、歯周病が悪化する可能性があるため、摂取は控えめにしましょう。
特に、甘味飲料や菓子パンなどの加工食品に含まれる添加糖は、虫歯や歯周病のリスクを高めると言われています。間食を取る際は、なるべく砂糖の少ないものを選ぶようにしましょう。粘りつきやすい食品
ドーナツやクッキー、ポテトチップスなど、歯に粘りつきやすい食品も要注意です。歯と歯の間や歯茎の溝に食べカスが残りやすく、バクテリアの温床になってしまいます。
粘りつきやすい食品を食べた後は、すぐに歯磨きをするのが理想的ですが、すぐに磨けない場合は、水でよく口をすすぐようにしましょう。また、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間の食べカスを取り除くのも効果的です。酸性の強い食品
酢の物や柑橘類など、酸性度の高い食品を多く摂ると、歯のエナメル質が溶けて歯が弱くなるおそれがあります。歯周病菌が侵入しやすい状態になってしまうため、食べ過ぎには注意が必要です。
酸性の強い食品を食べた後は、すぐに歯を磨くのは避けましょう。酸で脆くなったエナメル質を、ブラッシングで傷つける可能性があります。食後30分ほど待ってから、歯磨きをするのが良いでしょう。まとめ
歯周病を予防するためには、噛み応えのある野菜や免疫力を高める食材を積極的に摂る一方で、糖分や粘りつきやすい食品、酸性の強い食品の摂りすぎに気をつけることが大切です。
バランスの取れた食事と合わせて、歯磨きなどの口腔ケアや定期的な歯科検診を怠らないことで、歯周病のリスクを減らしていきましょう。歯周病が気になる方は、ぜひ当院にご相談ください。
歯周病は、初期段階では自覚症状が乏しいため、気づかないうちに進行していることがあります。定期的な歯科検診で、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
また、歯周病は、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。歯周病菌が血管に入り込むことで、動脈硬化や心疾患、脳梗塞などのリスクが高まると言われています。
歯周病予防は、口腔内の健康だけでなく、全身の健康維持にもつながります。日頃から、バランスの取れた食事と適切な口腔ケアを心がけ、健康的な生活を送りましょう。